当日のコースの流れ
1日目
9:30~ CVA概論(時間はだいたいの目安だとお考え下さい)
CVAの概要について学びます。主な内容はSCAのHPでCVAについて公表されているものです。参考となる資料のURLについては記事最後にまとめていますのでチェックしてみてください。
これらをベースとした資料をもとに講師がプレゼンをして、生徒にCVAを理解させるというものです。資料は基本的に英語ベースですが、コースによっては翻訳資料等をもらえます(ただし、今の時代無料の翻訳機がいくらでもあるとおもいますので、それを適宜使えば問題ないと思います)。
コースによってはある程度の知識を前提にしていたりもしますが、その場合は最後の参考URLを一通り読んでおけばOKです(不安な場合は下へコメント、もしくはSNS等で連絡ください。可能な限り個別ケース毎にお答えしたいと思います)
10:30~ 15 point intensity scale(15強度スケール)について

CVAの何たるかをざっと学んだあと、いよいよ実践へと移行します。まず最初に行うのが15強度スケールについての確認です。何が行われるかというと、3つのカップ(砂糖水、塩水、トマトジュースの濃度違い)がだされ、各強度を15スケールで示すように言われます。

記入が終了したら、先生からグループで意見交換するよう指示が出ます。
ここでどのようにスケールを使ったかについて意見を交わしますが、積極的に自分の意見を言いましょう。正解はないので、ぜひ議論をもりあげてください。そして実際に色んな意見があることを確認してください。
結果としてわかることは各人が個別のスケールを持っているということです。例えば、水の味となめらかさを強度ゼロとしたとき、最高値をどこに置くのか、例えば塩水の場合だと、海水なのか死海の水なのかによって、目の前のカップの強度は異なってきます。なめらかさについても、最高値をジャムにするのか、みそのそれにするのかによって異なります。
このことを改めて理解して、強度を認識する必要があります。そして、同じ強度のものが出た時は同じ強度のメモリにチェックする必要があります。自身の再現性も大事なのでトレーニングの必要があります。
11:30 Descriptive フォームのための参照すべき香りについて

その次にセンサリーリファレンスの座学と実践があります。
センサリーリファレンスとはコーヒー粉もしくは液体からなんの香りがどの程度の強さで感じられるかを習得するものです。そして、この香りの認知が後述するDescriptive Formを活用する際に大事になってきます。
これはプラスチックのカップに綿をいれて、その下に香るものを仕込んでいるものです。参照しているのはWorld Coffee ResearchのHPで公開されているSensory Lexiconです。

この報告書ではコーヒーから確認できる代表的な香りと同等な食品類等を紐づけ、その使用物の量や濃度を調整することによってどの程度の強度として認識すべきかについても学ぶことができます。
そのため、すこし精度は粗くなるかもしれませんが、家でもトレーニングはできます。そして、そのトレーニングの際に香りをフレーバーホイールとリンクさせる必要があります。というのも、Descriptive Formではどの香味が確認できるかについてフレーバーホイールを活用したCATA(Check All That Apply(当てはまるものを全て選べ))リストを用いているからです。これに正確に答えるためにはフレーバーホイールの理解が欠かせません。

なお、使用されるのは2016年版フレーバーホイールです(後ろのページに掲載します)。1995年版のものも知識として覚えておくと良いと思いますが、CVAでは必ずしも求められません。
なお、このレファレンスの際に使われる香料は普段感じられるものが中心ですが、一部、Tobacco、Thymeや Passeriなど人によっては生活に馴染みがないものがでてくることがあるので、どのようなものかについて認知しておくと良いかもしれません(これは香りがとれなかったおとしてもペナルティはありません。とれなかったら継続的にトレーニングしてください、というだけです)。
これらを全て覚え、繰り返しトレーニングすることによって、コーヒーに存在する香りとその強度について正確に記入できるようになります。
14:00~ Descriptive Form概論

続いて先に学んだ15強度スケールとセンサリーリファレンスを活用したDescriptive Form(詳細記述フォーム)の説明です。
これは主観的な好き嫌い、良い悪いを排除した情報を反映させるFormです。そこにどのような香味があるか、その香味の強さはどの程度なのか、酸がある場合はその酸味の強度はどうかというのを基準に沿って記入していくものです。
注意すべきはその味について評価をしないということです。従来のSCA方式ではフルーツを感じさせる酸については基本的に高い評価が与えられていました。しかし、CVAではどのような味・酸が感じられても、このDescriptive Formでは評価をしません。たとえ、オレンジやレモン、グレープがあろうと、燻製肉や革製品のにおいが確認できても、それが存在することを確認し、強度を記入することのみです。
最終テストではフォームが適切に使われているか確認されます。例えば、フォームのチェック項目、☑Fruityにチェックいれて、☑Berryにいれたら1つカウントとか、チェックするボックスは5つまでに納める。メインテイストは最大2個で最低でも1つにチェックを入れる等、またmouthfeelについても矛盾したものにチェックしない等が主なところです。
一通り、座学が終わったら実践カッピングへ移ります。
14:30~ Descriptive Formを用いてカッピング

カッピングは複数回行われます。これらのカッピングプロトコルについては別途ガイドブックに該当箇所があるのでそちらを参照すると良いと思います。ただし、筆記試験やその他テストの対象にはなっていませんので安心してください。
基本的にここではフォームの使い方が適切かどうかを確認されます。
1回目でフィードバックを受けて、2回目に実践です。先生がその場でチェックする場合もあれば、ペーパーを持ち帰る場合もあります。とにかく、ここで記入方法をクリアにしておくことが重要です。
Homework
宿題としてExtrinsic Formの対象となるとあるコーヒー豆の情報が記載された文章が渡され、読んでくるよう指示があります。ちなみに指示はこんな感じで留まっていたのですが、何をしてほしいかというと、この文章からExtrinsic Formに記載できる情報を拾ってくださいというものです。
以下に具体例を挙げたいとおもいます。

GARDELLI Specialty Coffeeが提供するKamwangi AA Crop 24/25というコーヒーがあります。コース期間中にこのSTORY BEHINDに類する文章が与えられ、ここからExtrinsic Formに記載すべき情報をひろうというものです。
具体的なイメージができるように下にサンプルを掲載しておきます。ただし、先生によってフォームの使い方は微妙に違うかもしれません。また、このExtrinsic Formはまだベータバージョンなので、先々変更しうることを認識しておいてください。
ちなみにこのロースターはすでにExtrinsic Form を実践しているとみられます。トップにExtrinsic Formと似たようなフォーマットでコーヒー豆に関する主要な情報が掲載されていて、消費者にとって有用な情報が簡単に得られるようになっています。
