『CVA for Cuppers』内容とテスト対策

2日目

9:30~ Affective Form概論(9 point hedonic scale (9点嗜好性スケール) )と実践

Affective Form
Affective Form(Affective Assessmentについて)

冒頭に前日の質問等を確認して、Affective Form (嗜好記述フォーム)の説明。昨日のDescriptive Formと異なり、どのくらいそのコーヒーのことを好きなのかについて記入するフォーム。このフォームの重要なことはDescriptive Formに用いられる表現を使わないこと。カップにレモン、オレンジ等を感じ取っても、そのまま書いてしまったら、それはDescriptive Formになってしまいます。そうではなく、それがどのように好きなのか、嫌いなのか、もしくはカッピング目的に沿ったことをコメントするように行います。

例えば、個人の好みを現す場合は(例)コーヒーにレモンジュースのような酸っぱさを感じて苦手だ(嫌いだ)→低評価→3点 等となります。仮に目的がパンに合うコーヒーを選定する場合は(例)朝食のかりかりに焼いた食パンにぴったりなコーヒー→高評価→7点 等という表現でも問題ありません。そして、だからこそ○○点となります。ただし、同じコーヒーが出てきたら表現は近しいもの、もしくは少なくとも点数は似通らなければ、そのカッパーは適当と思われますので、きちんと評価してください。

そして、重要なのは目的、そして自分が何を代表するか、となります。前者は評価点数をどのように使うのか、お店の販売用として評価しているのか、それとも和菓子や洋菓子にあうコーヒーを評価しているのか、等があります。また、後者は代表するコミュニティ、つまり自分の嗜好なのか、それとも旧SCAカッパーとして評価しているのか、それとも地域の嗜好を踏まえて評価しているのか、という背景も重要となります。

ちなみにAffective Formは、Qグレーダーや今までのSCAの旧フォーマットに慣れてきた人にとっては鬼門です。ついついワードで攻めようとするので要注意ですので、何度もやって慣れてください。

その後、カッピングとなります。面白いことにQグレーダー経験者のカッピングは似たような点数になる傾向とのこと。実際、点数が披露され、先生の点数と似通っていました(ただし、点数が似る必要はありません!)

Affective Formを用いたカッピングは一回行いました。

11:00 ~ テスト 等

時間次第ですが、場合によっては試験が入ってきます。

カッピングは連続しないように色々配慮してくれているようです。コースによって順番は変わるようですが、私のケースだと①レファレンスのテストから始まりました。

レファレンスの試験はチョコレートの香りが確認できた場合、フレーバーホイールのどこにあたるかということが問われます(下に選択肢が提示されるので問題ないとおもいますが、カッパーとしては全部覚えておくことが望ましいです)。

ちなみにチョコレートは(メインカテゴリ)Sweet→(サブカテゴリ)Brown Sugarとなります。簡単な表を以下に作りましたので、勉強の参考にしてください。基本的にはフレーバーホイールを眺めて覚えれば難しいことはありません。ただし、英語なのでアレルギーがある方は注意ください(といっても難しい言葉については試験官が事前に教えてくれます。英語で記載はありますが、英語能力を確認するテストではないので)。

ちなみに、なぜメインカテゴリとサブカテゴリとの名称が求められるかというと、Descriptive Formがそのような仕様になっていて、☑を求められるからです。

メインカテゴリサブカテゴリ
Floral(Black Tea)
FloralFloral
FruityBerry
Dried Fruit
Other Fruit
Citrus Fruit
Sour/FermentedSour
Alcohol/Fermented
Green/Vegetative(Olive Oil)
(Raw)
Green Vegetative
(Beany)
OtherPapery/Musty
Chemical
Roasted(Pipe Tobacco)
(Tobacco)
Burnt
Cereal
SpicesPungent
Pepper
Brown Spice
Nutty/CocoaNutty
 Cocoa
SweetBrown Sugar
Vanilla
Vanillin
(Overall sweet)
(Sweet Aromatics)

( )はサブカテゴリがなく、Specific Flavor Noteしかないものです。また先生によってはサブカテゴリのいずれかを選択するという指示もあるので、その辺は注意して先生に従ってください。

リファレンスのテストが終了すると、②Descriptive Form を用いたカッピングテストが行われました。繰り返しになりますが、ここでチェックされるのはフォームを適切に使えているか、記入漏れがないか、です。例えば、強度があるとNoteに書いた場合はそのレンジに書かれているか。NoteにLemonと書いたらFruityとCitrus Fruitsに☑が入っているかが重要なチェック事項です。

テストの流れは通常のカッピングセッション(フレグランス→アロマ→カッピング)と同様です。異なるのはDescriptive Formを用いることだけです。

その後、Extrinsic Formの解説があります。前ページに書いたような解説となります。そのため、こればっかりはきちんと宿題でやってくる必要があります。そして、その流れで文章を渡され、③Extrinsic Formに埋めるテストがあります。

13:30~ Combined Form概論(諸注意がメイン)

Combined Form(SCAが最も薦めていないフォームです)でも練習します

どんどん講義は進んでいきます、次はCombined Formの説明です。このフォームはDescriptive FormとAffective Formを名前通りあわせたものです。そのため、学ぶことはいったん、横軸で記入していくという一点です。

それもそのはず。左側にあるDescriptive Formのフレグランスだけ記入していたら、いつの間にかお湯が注がれていたなんて状況になっていたら、笑えないですから。

ということで、次は④Affective Formを用いたカッピング、⑤Combined Formを用いたカッピングテストを行いました。

再三言いますが、あくまで重要なのはフォームを適切に使いこなせているか、間違った記入や記入漏れがないかが問われます。

最後に⑤筆記試験が行われます。クラスによってオンラインで行ったり、ペーパーだったりします。出題される問題は授業通して学んだことです。たくさんある質問からランダムででてくるようなので、受講生によって問題は変わり、カンニングできないようになっていますので知識を詰め込んでください。

基本的には先生が授業中に口酸っぱくいってくるところを中心に覚えればよいはず。また、Descriptive FormとAffective Formの違いについてよくよく理解を深めてください(例えば、どちらが15強度スケールで9嗜好スケールか、等)。

ちなみにいずれかの試験に落ちた場合でも当日もしくは後日にRetake等の救済措置があります。ただし、何らかの事情でその期間に受けられない、もしくは落とした場合、再受講の必要がありますのでご注意ください(クラスによっては結構の確率で落ちるようです。また、システムトラブルで不幸にも落ちてしまうこともあるそうなので、環境や準備をきちんと整えたうえで臨むことをお勧めします)。

なお、筆記テストでは事前説明が省略されているものもでてきます。というのもコースによってはQグレーダーが対象となっていたりして、その場合、受講生は一通り学んだはずということが前提となっています。例えば、Physical Assessment FormはSCAのGreen Gradingを基本的には流用しているため、記載対象(例えばdefect情報)等について理解してなければなりません。気になる方は事前に復習しておくことをお勧めします。

試験の参考となる資料や文献

すでに一部触れていますが、基本的にはSCAのHPを翻訳するのが一番はやいと思います(関連するURLは下にまとめます)。このサイトの過去記事にもさらっとではありますがまとめていますので、とりあえず読んでみるのも良いかもしれません。

新しいSpecialty Coffeeの定義が書かれたペーパーです。ちなみにこのペーパーについては過去記事で取り扱っています(リンク)。

左のA System to Assess Coffee ValueはCVAの全体の説明が書かれています。右側3つはカッピングプロトコルやDescpitive Form、Affective Formを解説したものです。いずれもSCAのCVAページにあります。

あわせて先生からはCoffee Sensory and Cupping Handbookを薦められますが、必要に応じて授業終了後に購入すればよいと思います。

フレーバーホイールは覚えましょう。必要に応じてSCAのサイトから購入ください。

SCA Flavor wheel

総論

個人的にはとても充実した2日間になりました。正直Affective Formを中心とした各種フォームの運用についてはもう少しなれる必要があると思いますし、Combined Formを使った時の記入量の多さには辟易しますが、それも勉強になりました。

何より熱のこもった先生の指導や同じタイミングで参加された受講生と一緒にカップで来たのは非常に良かったです。ディスカッションしつつ、課題を指摘しあったり、非常に充実していました。どのコースで受講しようとも味わえることだとは思いますが、費用に見合ったないようにはなっていると思います。皆さんも機会がありましたらぜひ受けてみてください。

ちなみに次回の記事ではCVA for Cuppersの認定証の出力やEvolved Q Gradersの申請の仕方について軽く紹介したいと思います。

SCA Coffee Value Assessmentについて
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