堀口珈琲 横浜ロースタリーの見学報告

 11月中旬に開催された堀口珈琲 横浜ロースタリーの見学会に参加してきましたので、内容・周辺情報等も含めて備忘記録としてまとめました。

 遠方からお越しになる方のために元町・中華街のカフェ関連スポットもまとめてみましたので参考にしていただければ幸いです。そして、せっかく貴重な工場見学の機会なので他に準備しておいたほうがいいかもしれないことについてもざっくりまとめてみましたのでそちらもチェックしてみてください。

スケジュール

堀口珈琲横浜ロースタリーのロゴ。横浜湾とロースタリーのイメージがばっちり

10:15-10:30 集合(10:15から開場になります)

10:30~ コーヒー豆や工場に関する説明

11:00~ 工場内見学

11:30~ コーヒー飲み比べ

12:00  解散

工場見学のざっとのスケジュールです。工場見学は午前と午後に実施されていますが、見学内容に差はありません。約1時間半、みっちりコーヒーや工場について知ることができます。参加人数制限があるといえど、このボリュームの見学会が無料なのはすごいと思います。ちなみに将来的には有料の工場見学コースもできるかもとのことなので、それはそれで楽しみです。

コーヒー豆や工場に関する説明

堀口珈琲 横浜ロースタリーはみなとみらい線元町・中華街駅から徒歩で約20分のところにあります。途中、信号をいくつか渡りますし、駅も広いので当日は余裕をもって訪問することをお勧めします。

私が会場に到着したのは10:20頃。すでに数名の参加者が着席されていました。場所は工場2Fのミーティングルーム。参加者10名程度なので部屋の中もとてもリラックスした感じです。

ミーティングルームでの説明はアットホームな感じでした

この日のスピーカーは贅沢にも堀口珈琲の現代表である伊藤社長でした(もちろん、他のスピーカーの方もいらっしゃるかもしれませんのであしからず)。

伊藤さんはコーヒーマニアと言ってもいいほどにコーヒーに精通している方で、本も出されています(リンク)。また、実際に生産地に赴き、堀口珈琲のコーヒー豆の買い付け等も行っており、知識だけなく、現場にも精通している方です。このプレゼンではその伊藤さんの知見が余すことなく詰められていました。途中、質疑応答にも応じてくれますので普段コーヒーについて抱いている疑問をぶつけるのもいいかも。

基礎的なことから専門的なことまで優しく教えてくれます

冒頭、堀口珈琲の事業概要とその30年の歩みについて。そして、なぜ今回横浜にロースタリーをオープンしたかについて。

全体の製造過程を理解しつつ、横浜ロースタリーの位置づけも理解できるプレゼンとなっていました

その後、生産国におけるコーヒー豆の生産過程や、日本に来た後の焙煎工程(横浜ロースタリーでの事例を使って)がどうなっているのか、等々幅広く教えてもらえます。

印象的だったのは、今までテナントとして入っていた堀口珈琲が初めて土地を取得してこの横浜ロースタリーを設立した想いについてです。

伊藤社長曰く、それには大きく二つの目的があったといいます。

・風味(おいしさ)面の品質を高める

・食品衛生面の品質を高める

これらについて堀口珈琲は既存店舗での焙煎でも徹底してきていましたが、JRの観光列車や一流ホテルへコーヒー豆を納品するようになって、美味しさの質は当然ですが、衛生面についてもさらに高い水準での徹底が求められ、そのための投資だといいます。特に衛生面については後の工場見学で詳しく知ることができますが、驚くほどに徹底されています。

バラエティ豊かなブレンドのラインナップ

また、堀口珈琲は創業時からブレンド作りにも力を入れてきていて、その結果、現在のように幅広いブレンドのラインナップを揃えています。これに加えて個別契約している喫茶店毎のオリジナルブレンドも製造していることになります。

これだけのラインナップを一年を通じて安定供給することは非常に難しいことです。シーズン毎に変わるコーヒー豆の特徴を踏まえながら、各番号の味や各店舗のブレンドを安定的に実現するためにも、横浜ロースタリーののような大規模な施設は必要だったとのこと。

横浜ロースタリーの焙煎工程を動画を交えて詳しく説明してくれます

その他にも興味深い話をたくさんお話しいただきました。少しでも興味を持った方はぜひ次ページのリンクから参加してみてください。

工場見学

堀口 配布資料
横浜ロースタリーの概要。動線は一筆書きのようにシンプルにしたとのこと。

全面ガラス張りで足元まで見え、臨場感があります。

工場見学は1階でガラス越しに行われます。すでに伊藤さんのプレゼン時にどのように外からコーヒー豆が運ばれ、豆の選定、焙煎、ブレンド、パッケージング、出荷するのかについて学んでいるので、動線が非常にスムーズに見理解できます。

生豆はこの保管室から機械で吸い込み、シューターを通して隣の焙煎室へ。焙煎室とは空気圧が異なり、コーヒー豆の粉塵やちりが行き来しないようになっています。

焙煎室への連絡はトーキーを使って行われるほど、往来の管理が徹底されています。焙煎工程はPCで温度・圧力管理等が行われ、エンジニアのよう。
焙煎後の欠点豆を取り除く機械。その後ハンドピックも行われます。この機械によってこの後のハンドピックの負担が減るようです。
機械を通した後のハンドピック。品質維持のための執念はすごいです。

工場で何がみられるかはタイミング次第です。私が訪れた時は生豆のローダーへの送り出し、焙煎、機械による焙煎後豆の選定、最終ハンドピック等が行われていました。一方、ブレンドや梱包作業はやっておらず、説明によれば午後に豆のブレンド作業を予定しているとのことでした。

焙煎工程は複数回見られましたが、カメラやビデオを撮っている方が多くてみんなポジション取りを頑張っていました(笑)。私は人見知りなので遠くから(関係ないけど)。。。

焙煎豆の搬送やハンドピック時に生じる豆も直接触れることはありません。手をかざせばふたが空き、下方からも吸引することのできる特殊なゴミ箱をつかって衛生管理をしています。

衛生面の観点からガラス越しの見学となりますが、工場の方と目があったり、焙煎後のハンドピックしている真剣なまなざしを観られたり、堀口珈琲のコーヒー豆により親近感がわき、信頼を寄せられるようになりました。

コーヒー飲み比べ

工場見学が終わったあと、再び2階に戻って今度はエスプレッソマシンなどのコーヒー器具が沢山置かれた部屋へ案内され、そこで面白いテイスティング実験をやってくださいました。

正常豆と欠点豆との比較展示もありました

この日は堀口珈琲で提供している定番ブレンドのうちの2番を少し試飲。2番はフラワリー&ジューシーがテーマ。そのテーマ通り、鼻孔に柔らかい甘い香りが抜け、爽やかな柑橘系の甘みが口いっぱいに広がります。

そして、その後に今シーズンの2番を構成しているコーヒー豆をシングルオリジンで飲んでどちらの割合が多いかをあてもるものです(どちらもエチオピアの豆なのですが、採れる地域が異なりました。具体的な名前はぜひご自身で確認ください)。

当てても当てなくても大丈夫なので気軽な感じです。ただ、一つ目は香りが立ち、二つ目は味が後を引く感じでした。どちらもとても良いものだと感じられましたが、最初に飲んだ2番には届かない感じ。

ここになぜ堀口珈琲がブレンドに力を入れているかということがよくわかりました。そして、それはなぜこの場所にロースタリーを作ったのかにも通ずるんだなとも思えました。

語るよりも体験して多くを感じてほしいというのが、今回の工場見学の目的なのかもしれません。

その後、ブレンド2番等を含めた販売会が行われました。伊藤さんの本や堀口さんお本も購入ができました。また、コーヒー豆が自宅に沢山という方のためか、お土産用のクリップもありました。可愛くて、コーヒー豆袋を抑えるのにぴったりです。

購入しても購入しなくても問題ないですが、こういうのは記念に欲しくなっちゃいますよね。

次のページで堀口珈琲横浜ロースタリーの見学申し込み方法等についてまとめています。

堀口珈琲工場外観
最新情報をチェックしよう!