UCCコーヒーアカデミ東京校ーでウガンダコーヒーを体験

2025/5/18(日)、UCCが在京ウガンダ共和国大使館の協力を得て『生産地を知って楽しむ ウガンダコーヒー飲み比べ』という1 DAY セミナーをUCCコーヒーアカデミー東京校で開催。参加してきましたので内容をシェアさせて頂きます。

ちなみにUCCアカデミーが”コーヒーの生産地を知ろう”というテーマで在京大使館等の協力を得ながらセミナーを行うのは21回目とのことです。今後も多くのセミナーが開催される予定とのことでしたので興味があるからはUCCアカデミーのサイト(リンク)をチェックしてみてください。

ウガンダ大使の挨拶から始まる贅沢なセミナー

Kaahwa Tophaceウガンダ共和国大使のスピーチの様子
Kaahwa Tophache大使閣下(右)による開会スピーチにより和やかな雰囲気のもとセミナーが始まりました

冒頭、Kaahwa Tophache大使閣下から開会のスピーチがありました。以下にスピーチの発言要旨を掲載しておきます。

≪発言要旨≫

コーヒーはウガンダの文化的なシンボルです。コーヒーによって多くの人々が国内外関わらず繋がり、友情を紡いでいます。そして多くの人によって時に飲み物として、時にお菓子として消費されいます。

ウガンダ政府としてもコーヒー産業を支援する体制を整えていて、アラビカ/ロブスタの両品種について海外輸出を促進しています。ウガンダのコーヒーは国内の恵まれた気候特性の結果、いずれもユニークなフレーバーがあります。

そしてこれらを生産しているのは小規模農家であり、女性が多く活躍しています。政府としてもこれらの活動についてトレーサビリティや安全性の面からも支援しています。農園から消費者のカップまできちんと届くようにし、小規模農家の収入が最大になるようにしています。

本日、ウガンダのコーヒーを紹介することはウガンダだけではなく、日本の消費者の皆様にとってもそのユニークなフレーバを知ることができるメリットがあるものと考えています。ウガンダのユニークなコーヒーを楽しんでいただき、そして文化の相互理解につながることを祈っています。

≪以上≫

当日駆けつけたセミナー参加者に対して真摯に語り掛ける大使の姿には心うたれるものがありました。ちなみにこの日の後半に行われた試飲会の最中や帰り際に参加者と大使とでお話しする機会も設けられていて、その優しいお人柄に接してウガンダのことが益々好きになってしまいました。

ウガンダ共和国の特色とコーヒー生産について

ウガンダ参事官スピーチの様子
Ngalonsa Evelyn Christine参事官から”アフリカの真珠”とも呼ばれるウガンダ共和国の紹介

その後、Ngalonsa Evelyn Christine参事官からウガンダ共和国の概要、そしてコーヒー関連の情報のお話がありました。以下は当日のスピーチとスライドを再編したものです。

≪スピーチの内容≫

ウガンダ共和国概要
当日、ウガンダ共和国に関する基礎データの紹介があったものを再編集したもの

ウガンダは赤道直下の国で一年を通して非常に気候に恵まれています。また、ナイル川の水源やビクトリア湖を有していて豊かな動植物の生態系が存在します。

そんなウガンダについてイギリスの首相だったウィンストン・チャーチルは1908年に刊行された自身の本”My African Journey”でウガンダの豊かな動植物や雄大な光景を評して”アフリカの真珠”と表現しました(ちなみにウガンダには”Pearl of Arica”というコーヒーの品評会も存在します)。

ウガンダには10の国営公園、4つの動物保護区、77の森林保護区があって345の哺乳類、1042の鳥類が暮らしています(例としてマーチソン・フォールズ国立公園、クイーン・エリザベス国立公園、キバレ森林国立公園、ブウィンディ原生国立公園の様々なスライドが紹介されました)。

ウガンダには多くの国立公園があって、多くの動植物が保護されています。その中には日本でもよく知られているマウンテンゴリラやライオンに含まれます。Photo by Maarten van den Heuvel( instagram, X): https://www.pexels.com/photo/brown-lioness-on-tree-branch-2284175/

ウガンダにおいてコーヒーは輸出農作物のうち最も大きい割合を占めます。そして、アフリカ大陸第2の輸出国であって、世界第4位のロブスタ生産国です。また、コーヒー総生産量で見れば第10位となっています。2022/23シーズンの総生産量は7.8百万60kgバッグで輸出量は5.76百万60kg、輸出のうち29.1%がスペシャルティコーヒー、20.9%がファインロブスタとなっています(詳細はUCDA Annual Report 22/23 P XII参照)。

加えてユニークなのはウガンダはロブスタの原産地ということです。

  • ウガンダ国内のコーヒー生産マップ
  • ウガンダコーヒーの輸出量
  • ウガンダコーヒー収穫期

生産地域はロブスタは全土にまたがっていますが、アラビカは東西南北の特定の地域に集中しています。収穫は年に2回あって、地域によってメインクロップの時期が異なるため、年間を通して安定した収穫量となっています。

このように様々な地域で収穫できるウガンダのコーヒーをブレンドすればより複雑でユニークなフレーバーを形成することとなります。それは本日お持ちしたコーヒーでも確認できると思います。

≪以上≫

ちなみにNgalonsa Evelyn Christine参事官とはスピーチ終了後に少しお話頂きました。ウガンダ自体の国内では若い世代を中心にスペシャルティコーヒーが浸透しているとのこと。具体的には欧米への留学経験者だったり、欧米の生活習慣に慣れ親しんだ30代以下。一方、それ以上の世代ではコーヒーよりもお茶が好まれているとのことでした。

あと個人的にトランプ政権のもとでUSAIDが解体されたことでウガンダのコーヒー開発において影響があったか聞いてみました。基本的にヨーロッパが主な輸出先であって、多くの国内のプロジェクトもヨーロッパ関連のものが多く、そのため影響は限定的。むしろ国内のホットイシューは近年ヨーロッパで採択されたEUDR(森林破壊防止規則:エチオピアの記事で少し触れました(リンク))についてとのこと。しかし、それに関してもほぼ準備が整っているとのことで、想像以上にウガンダのコーヒー産業が進んでいる印象を持ちました。

この時も話題に出たのですが、ウガンダのコーヒー産業支援を担うウガンダコーヒー開発局(UCDA)は情報発信を積極的に行っていて、今回の記事をまとめる際にも参考になる資料が多くありました。興味がある方はサイトをご覧になってみてください。

次のページでは試飲会で提供されたコーヒーに関する感想や一部商品の即売会で購入したものをまとめています。

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