ホンジュラス/オスマンサス農園 コーヒー(アナエロビック、ナチュラル)

近年注目を集めているアナエロビック(嫌気性発酵)コーヒーを大手コーヒーチェーンのタリーズコーヒーが販売するというプレスリリースを2020年12月に発見してそれ以降飲める日を楽しみにしていました。そして、タリーズが主催するコーヒーセミナーにも参加できましたので、本記事でそれらを記録したいと思います。

この記事では、特に(1)ホンジュラスのコーヒー生産状況、(2)アナエロビックファーメンテーション(嫌気性発酵)を用いたコーヒーに関する簡単なメモ、(3)オスマンサス農園産のアナエロビック/ナチュラルを試した際の感想比較となります。

テイスティング(カッピング)については個人のくせがでてしまうかしれませんが、なるべく一般的に受け入れられるであろう表現に努めます。記事中にはタリーズのコーヒースクールで得た情報もありますが、コーヒースクールに参加した様子は別記事にまとめていますので、併せて参照いただけると嬉しいです。

ホンジュラス

生産状況
中米各国のコーヒー生産状況、ICO statistics (https://www.ico.org/new_historical.asp)を編集したもの。

ホンジュラスは中米を代表するコーヒー生産国です。ただ、国内のインフラ網の未整備等を理由に多くのコーヒー豆が長らくホンジュラス国内で消費されていました。

海外への輸出が大きく伸びたのは近年になってからで、その飛躍は著しく、2011年にグアテマラ、ニカラグア、コスタリカを差し置いて中米トップの生産量を誇るようになりました。その後、干ばつやサビ病の被害を受け、一時、生産量は伸び悩みましたが、2010年代後半になると再び生産量を伸ばしています。

なお、2019-20年度の収穫の減少はCOVID-19ではなく、干ばつとそのあとに続いた長雨の影響が理由です。ホンジュラスでは2020年3月までに約9割のコーヒーチェリーの収穫を終えていたため、港湾からの出荷が遅れたことと高所のコーヒー豆の収穫が滞ったことを除けばCOVID-19の影響は限定的だったとのこと。ただし、USDA-FAS(米国農務省海外農務局)は楽観的なコーヒーの出荷見込みを2020-21年をしていたものの、実際には引き続く自然災害や需要の減少、加えてチェリーピッカーの確保が困難だったことを理由に減少しているとの報告がなされています(*)(**)

ICOの2019-20年のデータによれば、ホンジュラスはブラジル、ベトナム、コロンビア、インドネシア、エチオピアに次ぐ6番目のコーヒー生産国となっています。ちなみに生産量5位のエチオピアと生産量が拮抗することが多く、2017-18年はホンジュラスの方が多く生産していました(そのため、一部の資料では生産量5位というものもしばしばみかけます)。また、アラビカのみ生産している国の中ではコロンビア、エチオピアにつぐ3位です。なお、ホンジュラスはコーヒー生産量の9割ほどを輸出していて国としても重要な外貨獲得手段の一つとなっています。

ちなみにホンジュラスから日本への輸出量は他の上位輸出国ほどの伸びとなっていないようです。USDA FASのレポートでは2015年から100バッグ( 60kg)程度を前後していて、2018年になってようやく140バッグまで伸びたという感じです。なお、コーヒーの上位輸出国はドイツ、米国、ベルギーの順でした(2019年のデータではこれらの国へは日本の約10倍輸出されています)。

*Honduran coffee exports drop 17% as coronavirus pandemic bites, by REUTERS JANUARY 5, 2021 https://www.reuters.com/article/honduras-coffee-idUSL1N2JF2HA

**Coronavirus puts Honduras’ coffee harvest in jeopardy By MARLON GONZÁLEZ and JAVIER CORDOBA January 1, 2021 https://apnews.com/article/tegucigalpa-honduras-coronavirus-pandemic-latin-america-7553ffdd5f461e9257c39c41a3e2e5c3

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