【本紹介・感想】地域の珈琲事情と文化につつまれる『四季の珈琲』

今日ご紹介する本は喫茶店の店頭でたまたま出合えた本です。でも、その喫茶店にすごしているあいだずーっと読んでしまい、また読後に少し豊かな気持ちにもなれました。ただ、意識しないとなかなか出会えない雑誌だと思うのでみなさんにご紹介させていただきたいと思った次第です。

ということで、その雑誌の名前は『四季の珈琲』です。

内容

本書の構成は大きな特集が2つ、そしていくつかのコラムやエッセイによって構成されています。

一つ目の特集記事が地域における珈琲文化を紹介するコラムです(一部バックナンバーは四季の珈琲の公式HPで掲載されています。リンクは下にありますので参照してみてください)。

今号では成長著しい中国の中から上海を紹介しています(必ずしも海外限定というわけではなく、過去には沖縄や島根といった地域も取り上げられています)。最近だと日本で開催されるコーヒーフェスティバルやコーヒー見本市にも上海から出展する店もちらほらみられるようになりましたが、現地のコーヒー事情は案外知られてないのではないでしょうか。

この記事で紹介されている上海の街並みは日本のそれとよく似ていました。有名チェーン店もあれば、コンビニコーヒー、そして自販機コーヒーだってあります。そして、日本のチェーン店も進出しているんですから。ただ、異なるのは自販機にブラックコーヒーがみられなかったことだと紹介されていました。その様子が本文では沢山の写真を用いて説明されていて、見ごたえのあるものになっています。

今号の二つ目の特集記事は、「美術とコーヒーの周辺」というもの。美術史家の井谷善恵さんが留学で訪れたイギリスのコーヒーのあるシーンを紹介していました。文章の雰囲気はまるで社内報か旅行記のように親しみやすいものです。

レポートは留学で長い時間イギリスにいないとわからないような地域に密着したもの。そして、これを読むとイギリス人がいかにコーヒーとすごす時間を大切に思っているかがわかるような気がしました。

この他にもコーヒーが登場する本を紹介するコラムだったり、文芸作品の中でコーヒーやカフェが使われている、まさにその一節を紹介する記事など、普通の雑誌ではあまり見られないような記事もあります。

いずれもコーヒーを飲みながら読むのに適している長さです。なので、時間ができた週末にこの雑誌(冊子)を求めて協賛会員のお店を訪れてみてはいかがでしょうか。きっと愛称ばっちりのコーヒーとともに迎え入れてくれると思います。

本誌の入手方法

私自身は千歳船橋にある堀口珈琲を訪れた際にいただきました。なのでタイミングがあえば、堀口珈琲でも入手できると思います。そのほかにも、『四季の珈琲』協賛店舗を訪れればおいてあるかもしれません。ちなみに協賛店は以下の店舗と『四季の珈琲online』のHP(リンク)に掲載されている店舗が中心です。

関連サイト及びSNS

「四季の珈琲」のバックナンバー記事については一部HPにも掲載されていますので興味ある方は覗いてみてください。

いなほ書房のいまどき珍しい手作り感あふれるHPには驚かされました。でも、その雰囲気はこの雑誌の雰囲気にも通じるところがあるんですよね。協賛会員の最小限の資金によって運営されている本誌、良くも悪くも営利を求めようという雰囲気を微塵も感じません。だからこそ、あのような自由で硬派な記事を作ることができるのかな、なんて思ったりします。

ちなみに四季の珈琲twitterのつぶやきはめっちゃ親しみやすいです。「四季の珈琲」の製作風景だったり、中の人が気になったコーヒー情報について、自身の意見というか、思いを追記してシェアしています。温かいtweet内容についつい応援したくなっちゃいます。

あと、いなほ書房って、もしかしてと家の本棚をあさったら、こんな本が出てきました。

この本以外にもいくつかの本をだされていたので、いつか、このブログで本を紹介できたらとも思っています。

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