『コーヒーサミット2025』現地訪問レポート!

2025年2/23(土)、24(日)に浜松町駅近くの産業貿易センターで開催された『コーヒーサミット2025』に行ってきたのでその様子をレポートします!

イベント概要

コーヒーサミット2025ポスター
プレスリリースより

イベント名:コーヒーサミット2025

主催:東日本コーヒー商工組合

場所:産業貿易センター

開催日:2025年2月22日・23日

参加費用:無料、事前にPeatix経由登録

参加人数:Peatixには11837人の登録がありました。途中、あまりの人数の多さに人数制限があったほどです。公式フェイスブックでは速報値として8000人以上の来場があったと報告しています。

参加者(コーヒーサミット2025表記に準じます):①キーコーヒー、②キャメル珈琲、③キャピタル、④服部コーヒーフーズ、⑤昴珈琲店、⑥アートコーヒー、⑦三本珈琲、⑧ユニマットライフ、⑨東北萬国社、⑩麻布タカノ、⑪美鈴商事、⑫ミカド珈琲商会、⑬ウエシマコーヒー、⑭チモトコーヒー、⑮珠屋珈琲、⑯サンパウロコーヒー、⑰トーアコーヒー、⑱松屋珈琲店、⑲サザコーヒー、⑳シーアンドシー、㉑アイ・シー電子工業、㉒富士電機、㉓明治安田生命保険、㉔HARIO、㉕ブルーマチックジャパン、㉖インテリジェントセンサーテクノロジー

訪問目的と日時

コーヒーサミット2025初日の入り口付近の様子。左奥へ外列が、そして会場にも一部列ができていました。

コーヒーサミットを訪れたのは単にコーヒーがメインのイベントだからではありません。コーヒーサミットは大手・中堅ロースターが中心となって消費者向けに行う珍しいコーヒーイベントだからです。どういう味がトレンドなのか、どういうものが多く売れるのかに注目しながら訪れました。

初日は15時くらい、2日目は11時くらいに訪れました。初日は列が会場の外までできて、入場制限が行われるほど(入場まで20分程度かかりました)。2日目も最初はすぐに入ることができましたが、12時過ぎくらいから入場制限を行うようになりました。

両日とも会場の滞在時間は1時間程度です。ただ、2日目はとあるお店の商品が届くのを待っていたため、この時間とは別に2時間くらい会場周辺のカフェで時間をつぶしていました(浜松町の周辺はオフィス街で週末も多くのカフェが営業しています)。

以下は個人的に面白く感じた点を中心にまとめてみましたので、来年または似たようなイベントに参加する方に参考になればと考えています。

ここが他のイベントと違った!

1. 他にはない味覚センサーで各社のコーヒーの特徴をマッピング

コーヒーサミット2025プレスリリースより(リンク

今回ブースも出展していたインテリジェントセンサーテクノロジー社。この会社は人間が感知する味覚を分析・数値化する機械を開発している会社です。普段は企業や大学等の研究機関向けに自社製品を納品しているため、私たち消費者にはあまり馴染みのない会社だと思います。

ただ、この会社はコーヒーサミットを開催している東日本コーヒー商工組合の会員でもあり、過去に開催されたものも含めて継続して出店各社のコーヒーの味を捉えたポジショニングマップ作りに協力することでイベントを盛り上げています。

来場者はこのマップを通して、各社の提供するコーヒーの特徴を捉えることができると同時に、自身の好みのコーヒーとそれらを提供してくれているコーヒーショップ群がわかるようになっています。

数字はの上に書かれてある参加者の番号を参照ください

当日配布されたパンフレットにもありますが、当日はポジショニングマップをブースで紹介・説明しつつ、各社のコーヒーを提供していました。

じつはこういうポジショニングマップは他の会場でも見かけたりするのですが、官能評価によるものが多く、こういう機械を用いたものは珍しいので、多くの人の注目を集めていました(ちなみにちゃんとトレーニングしたカッパー(テスター)が官能評価すれば、この評価と大きくぶれることはないと思います)。また、当日はコーヒーの好みに関するアンケートも行っていましたので、そのうち公開するかもしれません。

なお、今回分析しているものは各社から送付されたサンプルで、お店によっては特定品種のブレンドだったり、リキッドのアイスコーヒーだったりするので、この図がすべてではありません。お店によっては幅広いラインナップを持っているでしょう。しかし、それでもこの取り組みは十分面白いものです。実際、会場ではマップを参照しながら試飲している人を多く見かけました!

2. 各地の歴史あるロースターをみることができる

”宮内庁御用達”という言葉は多くの人に響いている様子でした。これも珠屋小林珈琲くらいの歴史と実績がないとできない販売方法だと思います。

最近のコーヒーフェスティバルは多くが個人でお店を経営されている方々が集って行うことが多いと思います。ただ、コーヒーサミットはそういう感じではありませんでした。

UCCグループのキーコーヒーやアートコーヒー等を除いても、大手・準大手ロースターが多く参加していました。それらの会社は各地の消費者とコミュニケーションを継続的に重ね、地域に根差した販売を行っています。それは各地で好まれる味かもしれませんし、馴染んでいる味です。

昨今メディアに多く取り上げられるスペシャルティコーヒーも重要だと思いますが、市場割合としてはまだまだ少数です。そのため今回のイベントのように多くの人から支持されている味がどういうものなのかをいま一度確認することも大事だと感じました。

三本珈琲も含めて多くのお店がアイスコーヒーを販売していました。

実際、今回のポジショニングマップをみてみると、酸味は比較的抑えたものが多く、どちらかというと全体的にバランスの取れ、口当たりの良いコーヒー(フレーバーとしてもどちらかというチョコレートやナッツのニュアンスがメイン)が多かったように感じられます。

実際ポジショニングマップで酸味が強いところに位置するのはキーコーヒーのトアルコトラジャと松屋珈琲店のペルーゲイシャブレンドくらいです(しかもこの二つは従来より地域・品種ともに酸味があると認識されているものです)。その他もシトラス系を売りにしているところは少なく感じました。

興味深かったのは販売の現場で炭のスモーキーさを売りにしていたり、苦味を強調して、販売している方が多数見られました。これは他のスペシャルティコーヒーイベントの売り場ではあまり見られない風景なのでついつい耳を傾けてしまいました。

話を聞いているとお客様もそういうコーヒーが好きという方も多く、多くの方が試飲して味に納得の上で購入されていました。そういう意味では普段のコーヒーイベントとは違う客層も多く来場されていたようにも感じられました。

このことを踏まえると、ポジショニングマップでもより苦味にフォーカスした会社が多いかと思ってみてみると、必ずしもそうではありません。そこはバランスとかを重視しているのかなと考えられます。もしくはフレグランス・アロマで香りに重点を置いているのか、いずれにせよ、マップ的にはそこまで苦味に偏っていないのは興味深いところです。そして、このことを考えるとデイリーユーズのコーヒーはバランスが良いのが好まれるのかな、なんて試飲を重ねて考えた次第です。

3. 目を引く集客と接客

キャピタルコーヒーでは好みのコーヒーを投票してもらっていました。複数名で来場したお客さんは意見を交わしながらシールを貼っていて楽しそうでした。

通常のコーヒーイベントに比べて圧倒的に試飲が充実しています。お店の人は試飲用のコーヒー抽出をずーっとしています。そして、お店の売れ筋のブレンドから100g数千円の高級豆まで、色んな豆が試飲できます。だから、当日それに満足してコーヒー豆を一個も買わずに帰ってしまった人もいるんじゃないでしょうか。それくらいに試飲が充実しているんです。

一番の行列を作っていた美鈴珈琲はコーヒー、ソフトクリーム、ピザの無料提供!行列の中でコーヒー豆などの商品を手に取って買う人も結構いらっしゃいました。

その中でも多くの人の注目を浴びていたのが北海道から参戦していた美鈴珈琲。こちらではソフトクリーム、コーヒー、ピザを無料で配っていました(笑)。そしてとんでもない行列でした。この会社、HPの事業内容をみればわかるとおり、全部自社で作るノウハウがあるんです。実際、このほかの催し物でも大活躍しているみたいです!

そしてコーヒー抽出で目立っていたのはサイフォン。やっぱり電気式のサイフォンスタンドで淹れると格好いいし、迫力がありました。他にも他にはないドリッパーや名物バリスタが淹れてくれるとか、呼び込みにも工夫が見られた気がします。

写真はサイフォンじゃないけど、ミカド珈琲で使われていたおしゃれなドリッパースタンド。
写真は昴珈琲細野社長による自社ドリッパーのプレゼンの様子。

実演販売している方々はトークも秀逸で観客もいつの間にか足を止めて、聞き入ってしまうほど。これは普段から飾らずに接客しているからなのかなと思えました。

次のページでは個人的に思ったことや気づいたことをまとめました。

コーヒーサミット2025ポスター
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