コーヒーマイスターという資格と勉強方法の紹介

試験対策

まず重要なのは合格ラインが60点以上ということ。記述がほとんどですが、このラインは比較的優しい設定になっています(当然ですが、4割空欄でも大丈夫なわけですから)。とくに日々最前線で業務に携わっている人たちにとってみれば、極論を言えば、自身の知識を中心に棚卸しをするイメージで問題ないと思います。実際に受験生の80%前後の人が合格していることから、むしろ受験申し込みのふるい(会員登録や先着順等)が一番厳しいのではないかと思ってしまうくらいです。

ただ、こんなふうに言われたりすると逆に不安になったりすると思うので具体的にお勧めの勉強方法を以下に紹介します。

テキストブック入手前

モチベーションはコーヒーマイスターという制度を知った時、もしくは試験に申し込んだときが一番高いと思います。しかしながら、テキストが手もとに届くのには時間がかかります。では何もできないかというとそんなことはないのです。一番お勧めしたいのが配布される「コーヒーマイスタートレーニングテキストブック」の編纂に関わった方たちの本を読むことです。

本来であれば、届いて執筆者一覧をみてからのほうがいいのですが、モチベーションが高いうちに取り組み始めた方がいいに決まっています。ということで、執筆者の中でも注目すべきは辻静雄食文化財団の山内秀文さんと滋賀医科大学医学部の旦部幸博さんです。このお二人は日本におけるスペシャルティコーヒーの論理の支柱といっても過言ではないような方です。そのため、お二人が携わっている本は受験生でなくともお勧めです。

ALL ABOUT COFFEE コーヒーのすべて (角川ソフィア文庫)

ALL ABOUT COFFEE コーヒーのすべて (角川ソフィア文庫)

ウィリアム・H・ユーカーズ KADOKAWA 2017-11-25

コーヒーの科学 「おいしさ」はどこで生まれるのか (ブルーバックス)

コーヒーの科学 「おいしさ」はどこで生まれるのか (ブルーバックス)

旦部 幸博 講談社 2016-02-19

珈琲の世界史 (講談社現代新書)

珈琲の世界史 (講談社現代新書)

旦部幸博 講談社 2017-10-18

あとはコーヒーの入門本、特にSCAJ関係者が出すものの、抽出方法や焙煎方法については基本的に通じるところがあります。最新版 珈琲完全バイブル珈琲事典 新装版 この1冊で豆・焙煎・淹れ方がわかるTHE STUDY OF COFFEE等が代表的なところだと思います(カフェバッハ、丸山珈琲、堀口珈琲といった日本を代表するカフェ創業者が各々執筆に携わっています)。持っていない人はいずれどれかをどっかのタイミングで買うことになると思うので、このタイミングで買っちゃうのがお勧めです(古本でも大丈夫ですよ)。

最後にSCAJのHPやHPにあるリンク集から飛んでみるのも効果的だったりします。そこでは生きた状オフが閲覧できますし、情報のアップデートになると思います。ただし、軸となる部分についてはやはり上で紹介した本やテキストから得てください。どうしてかというと、試験では通説や定説を確認することが重要だからです。コーヒーについては色んな説があったりします。特に飲み方や健康に関する効果については様々な議論が交わされています。今回の試験は未検証なことや感覚的なことについて問われているのではありません。それらについて支持するのはその方の信念によるところでしょうが、今回は現時点で一般的に業界、特にSCAJが認識しているものをベースとなっていることを認識することが大切です。

ということで下準備はこんな感じで大丈夫だと思います。

テキスト入手後の具体的な試験対策

テキストを入手してから座学の当日まではその読み込みが主なものとなります。ただ、このころになると社会人の方々は日々の業務に追われることが多いと思います。

で、お勧めなのがテキストの巻末問題200問を中心にノートを作っていくことです。単語帳などで覚えつつ、その周辺知識をノートにまとめればそれでおおよその問題には答えられるようになります。

ちなみに、私の時は、座学時に、講師の方がこの巻末問題だけをやっても試験はうからないと仰っていました。確かにこれだけだと微妙なのかもしれません(ただし、本当に200問丸暗記出来たらその限りでもないような気がしますが…)が、ここに出される問題は非常に重要なものが多く、多くの問題もこの周辺から出されているんです。そのため、この問題を中心に取り組むことをお勧めします。

座学も重要

そしてSCAJが行う座学も重要です!試験内容はその年度ごとに異なりますが、試験に携わる方も出席されていて、その日の座学で紹介された会話や特に力を入れた箇所が試験に反映されます。なので、当日はきちんとメモすることをお勧めします。

例えば、カッピングの方法、採点用紙の内容、サンプルとして使った豆の種類、精製方法、その生産国の有名産地。また座学のプレゼンで使われたコーヒー豆の生産プロセスの写真とか。果ては講師の方が冗談交じりで語る覚えにくい用語とか。ちなみに、これら例示した多くは色んな形で試験にでてきました。

割切りもある程度は大丈夫

多くの受験生は時間に限りがあります。そのため、苦手なところは思い切って切ることがあっても大丈夫だと思います。特に歴史パートについては得意・不得意があると思います。中には年号やマイナー人物の人物名まで問われることがありますが、配点は1点とかなので年号は切ってもそこまで問題ありません。もちろん、暗記が得意な方は得点源にすればいいかと。いずれにせよ自分の時間と相談しながらきめてみてください。ちなみに私はSCAJの設立年度を忘れていました(テストにあったんですよ…)。

参考までに、私はコーヒー業界に従事しているわけではありませんが、関連本が好きで、色んなセミナーに継続して出席していました。そんな前提でも、テキストの内容は何となく知っていることが多かったので、テキストを各章ごとにばらしてファイリングして、時間を見つけては喫茶店で読むという状態で直前まで過ごしました(あまり集中はしていません)。一応、直前の3連休には不確かな知識の定着(暗記)をしましたが、朝から晩までやっているという感じではありませんでしたので、ご安心ください。まぁ、そんな私でも合格したので、これを読んでくれている方々(見つけてくれてありがとうございます)なら、大丈夫だと思います。

最後に体調管理は十分にしてください。いくら準備ができたといっても、また知識があるからといって、当日体調不良では力を発揮できませんし、ましてや休んでしまったら、次の試験まで待たないといけませんから。そして、それは心理的に重荷に違いありませんから。。。

ということで、基本的には業界に従事している方が多く、その方々の力を発揮すればそこまで難しい試験ではないと思います。そのため今まで培ってきた力を存分に発揮してください!また、この試験はあくまでメルクマール的な存在なので、各々のゴールに向けてこれからも頑張ってください!コーヒー好きな方すべての方を心から応援しています!

何か疑問や質問がありましたら下へのコメントもしくは当サイトの連絡先からお願いします。では、また次の記事でお会いしましょう。

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