年に4回、3の倍数の月の月末が待ち遠しくなります。それは今日ご紹介する『珈琲時間』が発売されるからです。だいたい各月の中頃にはそわそわしだして出版社(大誠社)のHPやtwitterをみて、何の特集だろうとチェックするのですが、いずれも直前まで更新がないんです(笑)。もしかしたら直前まで編集作業に追われているのかもしれません。
では、そんな『珈琲時間』を私なりの視点で紹介をさせてください。
時間をかけた充実した特集
直近の2020年5月号の特集は①フードもおいしい!カフェ&珈琲専門店、②コーヒーハンターJose川島良彰さんの仕事から、③春の野山でコーヒー淹れて、④ホイアン 古都のカフェにて、です。
①は王道のカフェ巡りです。その中でも切り口はフード。おいおい、いきなりコーヒーじゃないのかよって思うかもしれませんが、でも、喫茶店に入る理由なんて飲み物だけじゃないですよね。ということで、名物のカレーがある店、お客さんから長らく愛されたホットサンドの店、インスタにも映えそうなふわふわオムライスの店等々、 全国各地から選び抜かれたお店が掲載されています。メインはフードですが、その店のコーヒーとの愛称についても写真を添えてコメントされています。どの記事からもよい香りがしてきますよ~。
②はミカフェートの創業者であり、コーヒー業界の重鎮川島さんについて。川島さんがどういうきっかけでコーヒー業界に進み、そしてどのように独立し、現在のミカフェートを立ち上げたのか。さらに現在のボトル式梱包等に関する思いや社内のカッピングの様子など細やかにレポートしています。これ一冊で新卒向け会社案内になるのでは?と思うくらいの内容の詰まっているものです。
③はキャンプブームの中で楽しめる各種コーヒーや関連/あまり関連しないグッズについて。好きや実用性、色んなものが合わさってキャンピングカーを購入した高橋編集長のユーモアにあふれた記事です。格好良いキャンピングライフは専門誌に任せて、楽しくも辛い、初心者のキャンピングライフを紹介しています。たとえば、コーヒーをキャンプ場で抽出しようとするも、フィルターの粉が飛び散って四苦八苦しちゃうよね~とか、それでもキャンプ場で飲むコーヒーは格別の味だとか、とにかく人間味あふれています(笑)。
④は最近注目を集めているベトナムの地方都市の特集。現地でどのようにコーヒーを楽しんでいるか、沢山の写真を使って伝えてくれます。民族衣装をアレンジした服を着たバリスタが窓越しにコーヒーを淹れるシーン、カフェで、またコーヒーを片手に自撮りしようとしているお客さんたちだったり、どれも生き生きとしていました。少し落ち着いたらこういうところを旅の目的地にするのも楽しそう、なんて思えます。
脇を固める魅力的な記事たち
個人的に毎号読んでしまう記事をいくつか。
まずは雑誌冒頭にある高橋編集長の『Editor’s Note』。ゆるい感じで直近の活動報告だったり、その号のコンセプトを簡単に紹介しています。短い文章ですが『珈琲時間』の雰囲気を存分に醸し出しています。コーヒーを片手に読むとまた味わい深いものになっています。
そして、料理家岡田香織さんの『おやつの玉手箱』。特定のシーンを想定して、そのシーンの彩を添えるスィーツたちを紹介しています。詳しい作り方も書いてあるので、これをみて実際に作っている人もいるんじゃないでしょうか。ただ、毎号やさしいわけではありません(笑)。ちゃんと骨のある課題もあります。でも、作る工程を想像するだけでも楽しいし、スィーツ名をネットで検索して、それを提供しているカフェに食べに行ってみるという楽しみ方もあると思います。いろんな行動のきっかけとなる記事なんです。
杉崎行恭さんの『ローカル線で行くカフェの細道』も欠かせない記事です。ローカル線をのりついで辺境の地にあるカフェを訪ねるという企画。今号ではついに禁断の手を使って徳島の辺境の地にあるカフェを訪れてしまいました。
最近は色んな理由から山奥にカフェをオープンする人が増えてきました。ただ、そういうお店を訪ねる機会はないかもしれません。そんなお店の中から、杉崎さんがこれだ!と感じるものをピックアップして訪れてるんです。
その魅力的なコンセプトもさることながら、お店へ行く際のテンション、お店の内外の雰囲気、そして帰り道でのほんの少しさびしげな気持ち、どれも味のある文章で毎号楽しみになっちゃいます。もちろん、紹介されたカフェや喫茶店は旅行やピクニック等で現地をに訪れる際に立ち寄る候補になるのは間違いありません。
これらの記事以外にも多くの魅力的な記事が『珈琲時間』には掲載されています。
あと、これは誰にとってもお得な情報。『珈琲時間』の読者プレゼントは結構豪華です。
2020年 Spring 5月号では、なんと2万円相当のドリップ・スタンドが当たるんです!ちなみに以前も結構なお値段のケトルやらポットやらがプレゼント対象となっていました。興味ある方は本誌を購入のうえ、応募してみてはいかがでしょう。当たらなくても色んな商品がでているんだなと改めて気づかされるものもあるかもしれません。
季刊誌だからこその濃密さ
『珈琲時間』に流行の最前線を捉えた記事はそこまで多くないと思います(決してないとはいいませんが、そこを魅力とするなら他の月刊誌もありますしね。)。それでも大きな業界の方向性を捉え、それを読者に丁寧に伝えてくれているような気がします。
雑誌の中に方々のコーヒー豆や直近で新規にオープンした注目店や新商品も紹介しています。流行を捕らえつつも、きちんとした評判を得たコーヒー豆をを紹介して、良品の普及に努めているという感じ。雑誌からのリンケージは必ずしもありませんが、それでも商品名や決済方法がきちんと掲載されているので読者は次の行動をとれます。また、カフェも新商品も毎月出てくるわけですが、それにいちいち飛びつかず冷静な目で淡々と紹介するのもいいところかも。多くの情報をインプットするのも重要かもしれませんが、あまりに多いと波に飲み込まれてよくわかんなくなっちゃいますもんね。
と色んなことを紹介していると誌面すべてに触れてしまいそうなので、このへんで〆たいとおもいます。
とにもかくにも自然体で読者にコーヒー・カフェ業界の流れを伝えてくれる、それが私にとっての『珈琲時間』なんです。みなさんにとってはどんな雑誌でしょうか。
雑誌関連のHPやSNS情報
- 大誠社HP:http://taiseisha.jp/
- 大誠社twitter:@Taiseisha_PR
HPは上述したとおり、発売直前に更新されます。また、twitterはあまり活用していないかも。雑誌『珈琲時間』との使い方は気長に、そしてのんびりと、というかんじでしょうか。
雑誌の入手方法
- 定期購読 ・・・特典 オリジナルポストカード4枚、2号分が50%割引
- デジタル版・・・40%割引。ただし、紙版の翌月の発行
- サブスク・・・ブック放題、ブックパス、タブホで読めます(ただし、一部有料なのでご自身で確認ください)
雑な閑話休題(雑感)
今回は本ではなく、雑誌の紹介をしてみました。昨今のカフェブームもあり、多くの珈琲やカフェに関する雑誌やムック本、そしてZINEが市場にあふれています。ただ、この雑誌もそうですが、いろんな角度から継続的に知ってもらわないと、いつの間にかなくなっていることもしばしば。
だから、このサイトでひとつでも多くの雑誌についてこのようなかたちで紹介していければ、なんて思っています。個人的には今までみてきたどの雑誌にも寒心するページはあるので、そういうところを自分なりの表現で丁寧に紹介していきたいと思います。
にしても、つくづく思うのですが、定期購読割引、電子版割引、サブスクリプション等々、お得な購入方法はいろいろあるんですね。。まぁ、いずれにせよ読者としての強いロイヤリティーもしくはコミットメントを求められるところではあるのですが。。
うーん、購入方法を再考しようかな。。悩ましいです。。。
といいながら、今月も食べログの有料会員登録を削除するのを忘れました。やっぱり、ゆるりといきましょう。