流山市/枯山水を眺めながら、風が竹林を揺らす音を聞く『茶房 一茶庵(一茶双樹記念館)』

 秋葉原からつくばエクスプレスとバスを乗り継いで40分ほどのところにある千葉県流山市。流山市はみりん発祥の地として、また新撰組が屯集した地で、最後の陣営地となった場所として有名です。そんな流山市に昨年からよく遊びにいくようになりました。

 今回はよく流山市を訪れるようになった目的のうちの一つ、『一茶双樹記念館(茶房 一茶庵)』についてご紹介したいと思います。 

一茶双樹記念館について

 この施設は俳人(小林)一茶と地元の名手で俳人でもあった(秋元)双樹の交友を記念した資料館なんです。もともと名手だった秋元家だけあって、建物の作りもお庭もきれいです。

 手前の施設(表紙の写真)には、この地を複数回にわたって訪れた小林一茶とその際に交流を温めていた地元の商家であり、俳人だった秋元双樹の俳句や関連文献が収められています。

ひな祭りの季節は吊るし雛とひな人形たちでにぎやかでした。

 記念館にはわかりやすい資料も多く、俳句の初心者でも楽しめる作りになっています。また、1Fではみりん造りに携わった秋元家らしい、当時の雰囲気を味わうこともできます。

ゆったりできる二つの空間

そして、資料館の奥にある離れのお屋敷が双樹亭と一茶庵です。枯山水のお庭を正面から見ることができる空間が双樹亭と呼ばれ、奥の間にあるのが一茶庵です。一茶庵には茶室があり、茶具も一式備わっています。

一茶庵への入り口・通路を伝って双樹亭へとつながっています。

 また、一茶庵は予約やイベントで埋まっているとき以外は見学することができます。ちなみに直近で訪れた日は、呈茶の会が行われていました(500円お菓子付き)。私も参加したのですが、初心者もあたたかく迎えてくれ、肩肘張らずにとても楽しむことのできる茶会でした。

一茶庵は空調が入るので真夏や真冬での催し物等にも使いやすいです

そして双樹亭。三間が続いた広々とした空間。季節で少しずつ違い、何度訪れても飽きることのない空間です。

この日は、こちらでもつるし雛と流山の各家庭で飾られていた雛人形が展示されていました。その和室スペースを進んで横を眺めると見えるのが枯山水の敷かれたお庭です。このお庭を眺めるのがこの施設を訪れる目的だったりします。

この日は呈茶があったので比較的にぎやかだったのですが、催し物がない日に訪れると人が少なく、とても静かな空間が広がっています。そして、当然のことがなら四季折々に異なった風景がみられるわけですが、そのなんともきれいなこと。奥に高い建物がないために、ながら、四季折々の季節が楽しめます。

 ちなみに中央・なかの間には奥へと抜けられる出入り口もあって、その光景もなかなか風情があります。ちなみにこのスペースは夏しか開いてなく、冬は閉じられています。そう考えるとこの双樹亭には色々な仕掛けがあって楽しいものです。

 個人的にはここの三つある和室の、””なかのま”で過ごすのがとても好きです。ただ、どの間からもお庭の全景が見渡せる贅沢な造りになっていますので、訪れた際はご自分にとっての最高の位置をみつけてください。

喫茶スペースとしての機能も

さて、そんな双樹亭の秋元家本邸側にある“おちゃのま”にかんたんなメニューがおかれています。いずれにもお茶とお菓子のセット。飲み物は緑茶、ほうじ茶、お抹茶等からえら選べます。 また、内容は季節によって内容は変わります。そして、時期によってはイベントメニューもあるようなので、訪問前にHPかfacebook等でチェックするのもよいかもしれません。ちなみに、オーダーはこの間、もしくは入館時にお願いできます。そして、自分でお茶を取りに行く必要はなく、施設の職員の方が持ってきてくれるのでありがたく待ちましょう(頼むのが確定しているなら、入場時に頼んだほうが楽かもしれません)。

(直近で訪れた際はお茶会が行われていたので、このメニューは提供していませんでした。なのでその前のもの)少し前の訪問時に持ってきてくれたほうじ茶と水ようかん。シンプルですが、お値段が300円ととってもお安いです。

そしてこれがお茶を置いてくれたテーブルからみた景色はこんな感じ。

このお茶をすすりながら、お庭を眺める時間がとても贅沢で、時間がたつとついつい訪れてしまうんです。ちなみに夏の季節はふすまが夏障子になっていてとても趣があります。

夏は夏障子となって、さらに趣きがあります。

ちなみにお庭とお屋敷の横に水溜り石ががあって、ほぼ毎回何らかの花が添えられていてそういうのをみるのもたのしかったりします。

四季折々の光景

いくつか各季節の写真を掲載しておきます。本当に飽くことのない素敵な空間なんです。都心にはたくさんの素敵なスペースがありますが、少しはなれたところにも心からくつろげ、いろんなことを考えるのに適した空間があることに気づかされます。

ということで、この施設を単なる郷土資料館と捕らえず、庭園好きの方、茶室好きの方、枯山水好きの方、訪れてみてはいかがでしょうか。本当に贅沢な空間が味わえると思います。

施設情報

一茶双樹記念館
住所 :〒270-0164 千葉県流山市流山6丁目670−1
観覧時間 : 9:00~17:00
休館日 : 月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始(12月29日~1月3日)
観覧料 :一般:100円 小学生及び中学生:50円
HP :http://www.issasoju-leimei.com/issa/issa_index.html

流山本町・一茶双樹記念館・社のアトリエ工黎明 共同fb:https://www.facebook.com/issasoju


■雑な閑話休題 

    

流山駅から一茶双樹庵に行く途中にあるキッコーマンの工場

 流山市を訪れるきっかけはとあるカフェです。ただ、訪れてみるといろんな尾面白い発見がありました。図書館に併設されている郷土博物館。そして街全体で観光を盛り上げようとしている雰囲気。とても素敵でした。

 今日ご紹介した施設以外にも記録/記事に残しておきたい場所が、沢山あるので少しずつ紹介できればと思います。そしてまだ訪れてないけど、行ってみたい場所もまだまだ流山市にはあるんです。季節の変わり目を迎えている今日この頃、また流山を訪れてみたくなりました。

一茶双樹館の梅
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