先日、初級カッピングセミナー体験についてまとめましたが、今回はSCAJ主催中級カッピングセミナー体験についてシェアしたいと思います。今回のセミナーも初級同様、個人でも取り入れられるところがいくつかあると思います。ご覧になってくださった方々に、何らかの形でお役に立てればと思います。というか、こういうカッピングセミナーがあったら参加してみたいと個人的には思っていますので、そういう情報もお待ちしています。
概要・日程・注意事項
11月28日の例
9:15~ | 受付開始 |
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9:30~10:30 | 4サンプルのカッピング後 全体セッション |
10:30~12:00 | 4サンプルのカッピング後 特定項目の個人指導 |
13:00~14:30 | 4サンプルのカッピング後 全体セッション |
14:30~16:00 | 4サンプルのカッピング後 特定項目の個人指導 |
参加費 SCAJ会員:16,500円 非会員:22,000円
募集人数 定員: 12名 (最少催行人員 6名 この日は9人が参加)
この回の参加者は男女比2:1で、若い方からシニアな方まで様々でした。初回セミナーよりは男性が多い印象ですが、セミナー参加者同士の交流は特段ないので参加者としては気にしなくて良いと思います。
受講資格:SCAJ テクニカルスタンダード委員会主催の 『初級カッピングセミナー』 を受講していること
持ち物:カッピングスプーン/エプロン/筆記用具/電卓/マスク/健康チェックリスト
注意事項: 中級セミナーは初級セミナーを前提にしていることもあり、スペシャルティコーヒーの概要やカッピングフォームのスコアリングの仕方に関する説明は割愛されます。そのため、普段ほかのところでカッピングを行っている、または異なる根拠でカッピングを行っている場合はいま一度SCAJのHP、ペーパー(特に初級カッピングセミナーで配布されたものが良いと思います)やSCAJのカッピングについて解説しているHP等で復習しておくと良いと思います。そうでないと微妙に話がかみ合わないことが起こります。
当日の流れ
座学(目的の確認)
冒頭、初級の目的の振り返りと中級講座の目的の違いに関する説明があります。
初級はコマーシャル(セミナー中はその他にコモディティ、メインストリーム等の言葉も同時に使われましたが、ここではコマーシャルに統一します。また、ここでいうコマーシャルとは一般に流通しているコーヒー(豆)で、スペシャルティコーヒーのスコアには届かないもののことを指します)とスペシャルティコーヒーの区別を学ぶものでした。そのため、カッピングにおいても80点を境にばらけるようにしてたとのこと。
一方、今回の中級セミナーの目的はスペシャルティコーヒーとコマーシャルコーヒーをさらに上位と下位に別けるというものとのこと。(ここまで具体的な数字を使っては言いませんでしたが、)スコアでいうと85以上/80/78/75以下(ハイSP、SP、ハイコマーシャル、コマーシャル)というイメージ。このイメージを共有したうえでカッピングが始まりました。
次の章ではカッピングの流れについて簡単に紹介します。
カッピング時の流れ
講師陣が行ってくれること | 自分で行うこと |
・試飲カップやコーヒー粉の準備 ・カッピング時のお湯の注ぎ ・試飲カップやお湯(カッピングスプーン洗い用)の交換 | ・お湯抽出からの時間管理(カウントダウン形式ではなく、カウントアップ形式で以下も管理) ・4分以降のクラストのブレイク ・ブレイク後のクレマの取り除き ・温度が下がってからのカッピングのタイミング |
基本的には初級セミナーと同様に参加者はカッピングに集中できる環境が整えられています。何か不測の事態が発生した時や疑問がある時は近くの講師に聞けば対応してくれると思いますが、たぶんそういう状況はあまりないと思います。
カッピングするコーヒー豆は午前中にナチュラル、午後にウォッシュドです。午前にナチュラルをもってきているのは、参加者のメモリ合わせとして適切だからだと思います。というのも、午後のウォッシュドはシビアな評価が求められるため、結果としてこちらで慣れさせて、午後に臨むという感じでしょうか。
1回目のカッピング終了後、参加者の合計点がどこに当てはまったのか、またどのような特長を感じたかについて表を詰めていきます。ここで自身の点数とほかの参加者を乖離値を確認しながら、その原因をさぐるといいと思います(また、カッピング時もしくはこのタイミングでどこのコーヒ豆だろうと考えるのも良いと思います)。
その後、講師陣のカッピングスコアと感じられた特長が開示されます。ここでどの項目が足りなかったか(特長や表現、点数の乖離の原因)等を確認してこの後に活かすようにします。疑問点はその都度質問しても良いでしょうし、個人的な課題だと感じたら、この後の個人指導にまわしてもよいと思います。
2回目のカッピングは1回目に使われたコーヒー豆の順番を変えて行われます(この辺は初級と一緒です)。参加者がカッピングを終えると全体での表作りは行わず、3人の講師陣が各々3人程度を受け持ち、カッピングの個別指導をしてくれます。また、2回目のカッピング途中でFlavorとMouthfeelについては個別点数と感想を特に指導する旨アナウンスがありました。
この個別指導では、①そのコーヒーの風味特性を的確にとらえているか、また②その風味特性と見合ったスコアを付けられているか、を中心に教えてくれます。また、疑問や講師陣のスコアの背景も丁寧に教えてくれますので、臆することなく質問してみるといいと思います。
午後の部のウォッシュドのコマも同様です。3回目は1回目同様にカッピング後に全体の表を作り、その後に講評。4回目でコーヒー豆の順番を入れ替え、カッピングを実施、今度はAftertaste とAcidityが指導項目になりました。
次のページから具体的などんなコーヒー豆を使ったか、どんな評価分布となったかについてざっと紹介したいと思います。